ラムサール雲谷湿地

Ramsar Ungok Wetlands

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雲谷ラムサール湿地は、自然による湿地復元ケースとして活用価値が高い場所で、生物多様性を認められており、環境省指定の絶滅危機野生動植物と希少種の生態生息地である。

湿地は、生物生産性が最も高い生態系の一つである。地球上に存在する生物のうち約20%が湿地を生活の場としており、海洋生物の場合は、約60%が湿地で産卵または生息している。また、漁業活動の約90%が直接または間接的に湿地に依存している。湿地は水を集めて地下水層に送り、有機物などを蓄積・運搬する。また、氾濫を抑制し、水を供給、栄養素(有機物や栄養塩類)を保護・保持することで地域の気候条件を安定させる。

高敞雲谷ラムサール湿地は標高と傾斜が低くてかなり緩やかな場所で、雲谷湿地方向に標高がだんだんと下がって水路が形成される地形となっている。特に、オベイ谷は四方が低層の山地に囲まれて名前のように「谷」を形成、複数の水流を流してさまざまな生態資源を保存できる淺海の地となっている。雲谷村全体が10度下の傾斜となっているので、利用施設をスムーズに導入できると推測される。

雲谷ラムサール湿地周辺の水は、様々な水流が雲谷湿地にあつまり、対象地周辺一帯の水系は高敞川から仁川江に流れていき、北側にはコムソ湾に流れていく。雲谷ラムサール湿地には、安德堤、雲谷堤など大きさの異なる淀み(水たまり)があり、これらの淀みは周りの生態の池などに流れて湿地生態資源の生息地としての素晴らしい役割を果たしている。

雲谷ラムサール湿地に生息する植物の分布図は、次のとおりである。雲谷貯水池一帯にはキク科、イネ科、カヤツリグサ科、タデ科、アブラナ科、バラ科、マメ科の植物が多く分布している。オベイ谷には柳群落とギンナラシ群落が主に分布しており、雲谷村には貯水池と接している所に水生植物が集中分布している。ここの湿地の大半は耕作地として利用されている。アンドクジェ谷から貯水池と隣接した所には蓮の花のような浮葉植物が分布し、渓谷の中には、さまざまな湿地植物が分布している。

動物の場合は、カワウソ(絶滅危機野生生物Ⅰ級)、ヤマネコ(絶滅危機野生動物Ⅱ級)、 テン(貂)、そして天然記念物のアカハラダカ、チョウゲンボウなどが生息する。他にも魚類533種、両生類・爬虫類12種、鳥類611種、哺乳類11種、昆虫297種、蝶22種が生息している。

住所 全羅北道高敞郡雅山面龍溪里212(雲谷湿地 親環境駐車場)